水虫薬:小山・八戸工大教授ら、ホタテ貝殻で開発 2006年1月下旬から米国で販売 /青森

 ホタテの貝殻で作った水虫薬が今月下旬、米国で発売される。八戸工大の小山信次教授(材料科学)と 横浜市中区の新素材メーカー「チャフローズコーポレーション」(笹谷広治社長)が共同開発した。 2005年10月に米国の治験審査会(IRB)が市販薬として承認した。 価格は1本70ミリリットル入りで9ドル50セント(約1080円)。日本からもメールオーダーで個人輸入できる。

 同社などによると、商品名は「MOIYA(モイヤ)」。水虫は「もういや」という意味で名づけたという。 原料は貝殻と蒸留水のみで副作用はない。平内町で捨ててある貝殻を無料で入手する。 日本の製薬会社が国から輸入販売許可を得れば、国内でも発売できるという。  同社は水虫薬開発以前に、粉砕した貝殻を高温で焼いてできる粉末を利用し、 シックハウス症候群を防ぐ壁材を開発。この壁材を使う作業員の水虫が次々と治ったことから、治療効果に注目した。

 問い合わせは同社電話045・243・1905。【長谷川典義】 

 毎日新聞 2006年1月12日

 

ホタテ貝殻で水虫を撃退

ベンチャーで新素材メーカーのチャフローズコーポレーション(横浜市、笹谷広治社長)は、 八戸工大(青森県八戸市)と共同でホタテ貝殻を原料とした水虫治療薬を開発した。 今月下旬にも市販薬として米国で発売する。 ホタテ産地の青森県平内町の貝殻を、同県今別町の子会社工場で薬の原料に加工する。 身を取った後のホタテ貝殻は青森県で年間約5万トンも排出され、大量に野積みされる厄介者だけに朗報となりそうだ。 笹谷社長と八戸工大の小山信次教授(材料科学)が11日、青森県庁で記者会見し、発表した。

ホタテ貝殻を粉砕し、105―1050度で特殊焼成したセラミックス粉末の成分の酸化カルシウムなどに、 有害化学物質の軽減機能と抗菌機能があることが分かり、2002年夏から共同で開発に取り組んできた。

水虫薬はセラミックス粉末を蒸留水に溶かした。 米国内で白人や黒人、ヒスパニック系の20人を対象に行った治験結果では、約7割に改善傾向があることが分かり、 公的機関の審査を経たという。笹谷社長の出身地の今別町に設立した100%子会社の工場で粉末に加工。 商社を通して米国に輸出し、米国の製薬会社が製品化する。商品名は「MOIYA」で「水虫は『もういや』」の意味。 70ミリリットル入り9ドル50セント(1100円弱)で販売する予定。4.5トンの貝殻から3.5トンの粉末をつくり、 当初年間500万本を販売する計画で、日本国内へは個人輸入が可能という。

笹谷社長は「天然素材で副作用がなく、患者にとって安心だ」と説明。 小山教授は「ホタテ貝殻の有害化学物質軽減機能の詳細を3月に学会で発表したい」と話した。  

(河北新報) -2006年1月12日

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